三味線辞典:東さわりと綾杉胴

さわり

三味線には1の糸の巻き取り部の近くに“さわり”と呼ばれるしくみがあります。これは1の糸の開放弦をわずかに棹に接触させることによって「ベィーン」というノイズを発生させるもので、倍音成分を増やして音色に味を付け、響きを延ばす効果がある。ノイズとはいえ“さわり”こそが三味線の音であり、三味線の音には欠かせないものです。

東さわり

通常の押し込み式の“さわり”機構では物足りなくなった人間の開発によるものでしょうか?人工的に“さわり”の強弱を調整する機構が“東さわり”と呼ばれるものです。
棹に埋め込んだ螺旋式のさわりで強制的に糸へ働きかけ、最適な“さわり”を生み出します。

三味線の“さわり”

“さわり”は三味線だけでなく琵琶など他の楽器でもみられるものです。
ですが、三味線の“さわり”が特徴的なのは、1の糸だけでなく2、3の糸にも特定のツボで“さわり”が共鳴することです。
通常、2、3の糸の共鳴するツボを“さわりが付く”と表現します。

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胴の材質は花林が一般的です。太棹、中棹、細棹など太さや、棹の重さとのバランスに合わせて胴の大きさも決められることが一般的です。
もちろん、胴が大きいほど大音量が期待できます。

綾杉彫

写真のように胴の内側の面にノミで細かな模様を一面にに彫り込まれたものがあります。これを「綾杉彫」といい、音の響きを良くするといわれています。
実際にどれほどの効果が音に対してあるのか判断は難しいところですが、綾杉の細工が施される胴は間違いなく高級品です。逆に言えば質の劣る胴に綾杉が施されることは滅多にありません。
また、綾杉が施されていないのっぺらな胴を“平打胴”と呼びます。

撥で叩く位置

胴に貼られた皮の中央部分を叩くともっとも大音量で、逆に京口と呼ばれるヘリの部分で叩くと音量を落として引き分けることができます。特に津軽三味線では“前撥”“後ろ撥”と音量に強弱をつける撥の叩き位置を奏法として確立しています。


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