三味線辞典:分解と金ホゾ

三味線は分解できる!

三味線の棹は上棹、中棹、下棹の3つに分解できるものがほとんどです。
それぞれの棹は組立時にホゾを噛ませることで激しい演奏にも耐えうる楽器としています。

もちろん、分解できると移動に便利なことは言うまでもありません。
分解不可の棹は延棹(のべざお)と呼び 、ワンランク下の楽器評価を受けています

天神カバーと仮継

分解するのは専ら移動時であることは前項でも記しましたとおりです。とすると心配なのが三味線職人の粋の結晶であるホゾを炒めないかどうかということです。
このホゾを保護するカバーが“仮継”と呼ばれるものです。

また同様に三味線の天神部位は非常に痛め易い個所です。ここにも天神カバーと呼ばれる保護カバーを使用します。当然のことですが、演奏時には外します。ところが最近では舞台以外では、例えば稽古などでは天神カバーを使用したまま三味線を弾く人たちが増えているようです。
三味線は高価ですので気持ちはわかりますが、天神カバーを使用したままでは音に影響が出ると演奏時には必ず外すことを旨とする派も多くいます。

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金ホゾ

ホゾの雌の部分に金を埋め込み、三味線の激しい演奏や頻繁な分解組立にも狂いの生じないよう補強されたものを“金ホゾ”と呼びます。

金以外にも銀を埋め込んだ銀ホゾがあります。

金ホゾの音への影響

金を埋め込んだからといって、どれほど音に影響が出るのか?
一説には良い音になるとも言われてはいますが、一般的には効果はないとされています。

ですが綾杉彫同様、品質の確かな棹にしか金ホゾは施されることがありません。
そういう意味では平ホゾよりも金ホゾのほうが確実に良い音を奏でています。
もちろん、金が使用されればその分楽器の値段に反映されることは言うまでもありません。

二本溝

金ホゾの棹には必ずといっていいほど、二本溝の細工が施されます。なぜなら金を埋め込む以上に棹の継部分の補強には最適だからです。金ホゾ三味線が簡単に継部分でガタがでるわけにはいかない販売側の事情があるからでしょうね。これで三味線の使用による継部分の狂いを防止しています。


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