三味線辞典:雑学と各部名称

三味線の歴史

三味線の源流はペルシャのシタールといわれています。
他の多くの産物とともにシルクロードを伝わり
中国三弦→琉球三線→三味線→津軽三味線と形を変えていったようです。

三味線の種類

沖縄三味線(三線・琉球音楽など)
細棹(長唄、端唄、荻江節、河東節など)
中棹(地唄、一中節、宮薗節、新内節、常磐津節、清元節など)
太棹(義太夫節、浪曲、津軽三味線など)
形状の違いや棹の太さから大きく分類されることが多いようですが、
厳密にはそれぞれ音楽や流派によって三味線の種類は変わります。

三味線は弦楽器?打楽器?

この論争は専ら津軽三味線に限ってのものです。
というのも津軽三味線は撥で力強く叩くように
弾く奏法が現在の主流となっています。
糸と同時に太鼓の皮も叩かれるわけです。
この独特の奏法が打楽器のリズムと弦楽器の繊細さを併せ持つ
津軽三味線の人気の理由のようです。

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三味線各部の名称

三味線はその名の通り三本の絃で奏でる楽器です。三本の絃は胴掛けの側からそれぞれ1の糸、2の糸、3の糸と呼ばれます。

天神、棹、胴

三味線の本体は先端海老尾の天神と呼ばれる部分、棹(ギターで言うところのネック)、そして皮の張られた胴の3つの部位からなっています。棹は紅木材がもっとも高価とされます。紫檀や花林材もしばしば使われます。しかし胴の材質はもっぱら花林材です。

糸の素材は絹が基本となっています。津軽三味線ではテトロンやナイロンなども使用します。

糸の太さは1の糸が一番太く2,3と順に細くなります。
当然1の糸が低音に鳴ります。

糸巻きと音緒と駒

糸巻きと音緒と駒とで張られた糸にテンションを与え、微妙な調弦を施し、音を奏でます。

三味線は他の弦楽器同様演奏のたびに自身で調律を行います。糸巻きはギターで言うペグの役割をします。音緒に結ばれた糸を糸巻きで巻き上げるのです。
駒の高さで微妙に音色が変わります。またその材質も音に影響を与えるといわれます。

三味線には一般的に猫の腹の皮を使用してきました。しかし最近では入手が困難で非常に高価なため、犬の背の皮を使用するようになってきました。原材料となる犬の皮はほぼ100%が輸入で、東南アジアから食肉用の残が供されます。また、津軽三味線は猫を使用することはなくすべて犬の皮を張ります。

バチ皮

三味線はバチを皮に叩きつける奏法のため、皮を守る保護シートが貼られます。これをバチ皮と呼んでいます。

胴掛け

三味線の奏法は右肘を胴に乗せて弾きます。そこには胴へ糊で貼られただけの皮の境目が存在するため、胴掛けと呼ばれるカバーで保護します。

ツボ・勘所

写真をご覧いただきわかるように、ギターのようなフレットが存在しません。
絃を押える棹の場所は“ツボ”や“勘所”と呼ばれ「どこを押えればどの音が鳴るか」耳を頼りに身体に覚えこませるよう奏者は稽古するようです。


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